短歌集

 新しいものが上に来ます。
(他の作品とは掲載順が違いますのでご留意ください)

2024年5月

薄布に 映し出される 影絵かな ひらりめくれば 目にも鮮やか

2024年4月

昨日まで もう少しだけ 夜だった のにもう朝の 光が射してる

2024年3月

流れ行く そのひとひらに 透かし見る そらに連なる そのまた向こう

彼の方に 宗教勧誘 なんて無駄 あるじの声が ニャアと聞こえる

薄紅の 根元にゃ姫が 眠るとな ネタなら良いが 事件は勘弁

窓の内 安らぎ求め 並ぶ鉢 ねぎらうために 霧吹きかざす

人の世に 神も仏も いるならば そっと教えて 隠り世事情

2024年2月

導きの 縁が示した 昇り龍 護る玉を得 伸びやかに舞う

呼ばれれば 見上げた先に 麗なる 衛りの星が 今日も微笑む

日が進み 月も歩みし 世の中は されども巡る 行きつ戻りつ

瞼伏せ 世界見ぬ間に 一瞬で 災禍が喰らう いつもの日々よ

天からの 恵み密かに 解く白 茶色夢見る 萌ゆる緑を

南国の 平地育ちは 雪知らず 白の世界に 吐息を漏らす

窓の外 右に街並み 左山 裾野を走る サンダーバード

2023年5月

あまつちを めぐりにめぐる みずだから わたしのなみだ そらにかえして

車窓外 空も地面も 同じ青 やがて育む 黄金を思う

爽やかな 青の落ちてる 道端を 飛び越えはしゃぐ 黄色の帽子

2023年4月

東風吹いて 見上げた空に 桜舞う 行く先追えば 笑顔のアナタ

2022年8月

早くから 蝉は鳴く鳴く 陽も照って うっかり起きる 休日の朝

2021年11月

朝起きて 外は仄かに 暗いまま 白い吐息の 足音を聞く

2021年10月

まなぶたを とじてぐらりと ゆれるのは わたしのせかいか よのなかなのか

Tシャツで 見上げた先に 紅葉散る 揺らぐ天津地 平穏はいつ

薄墨を 頭上に透かし 仰ぎ見た にじむ景色で 空気を洗う

2021年夏ごろ(詳細時期不詳)

重いのは 水吸う服か 偏頭痛 今日も天では バケツが転ぶ

肩が凝る 行き過ぎもはや 頭痛する 漬物石が 不要な背中

占いに 天啓求め 試するも 人事尽くせと お叱り受ける

玉子焼き 茫と眺めて 汗拭う 熱変性は もはや戻れぬ

蝉すらも 声を潜めて やりすごす 今年の陽射し 殺人光線

ただおもい ひたすらおもい そのおもさ たにんはしらぬ じぶんもしらぬ

なみだゆえ ふるえるかたを さすれども なけぬつきそい きずはいかほど

ふれたかお ねつをうしない ただしずか そっとまなぶた とじるがしごと

ふりむけど もとむあいては みあたらず まばたきひとつ まぼろしのぞむ

そらがなく わたしはなけぬ ひとでなし ほほのしずくは ただのあまつぶ

うつしみを はずかしがりて とらぬまま きづけばもはや にどととられぬ

おみおくり いまもむかしも あたまさげ うつむくかおに かくしたおもい

あめふりて じかたまるなど いうけれど いまはこのまま うもっていよう

きおくなど ながれうつろい かわるもの おもいしるのに またもながるる

2021年1月

雪が降る 南国なのに 雪積もる 今年も令和 張り切りすぎて

コロナ禍で 毎食気分は 恵方巻 豆でもまけば 厄は去るかな

歌いたい だけど困った 歌痛い 今度一人で カラオケ来よう

2020年10月

低く鳴る 音に急かされ 蓋開ける 隣の香り 最早暴力

顔出して 肌刺す温度に また潜る 遅刻を告げる 目覚まし時計

指組んで 覗くその先 うたかたに 微笑む君を もう一度だけ

朝布団 昼は膝掛け 夜炬燵 震え止む頃 睡魔が笑う

窓の外 骨組みだけの 観覧車 景色流れて 思い出も去る